2026.3 特別展「超危険生物展 科学で挑む生き物の本気」(2)
肉食動物の鋭い牙から身を守るため、皮膚表面を硬質化させたのが「武装型」です。
サイの角はケラチン組織の硬い繊維で覆われており、頭部に長く鋭い突起を備えています。
「クロサイ」の全身骨格。クロサイはコンゴ盆地を除くサハラ以南のアフリカ中南部、東アフリカの熱帯から亜熱帯に分布し、熱帯雨林には生息していません。深い藪、まばらな森林、開けた草原や山岳地で生活しており、ケニアでは山岳地帯の森林、ナミビアのクネネ州の半砂漠にも見られます。
ウシ科の頭骨と角です。
「アフリカスイギュウ」体長は170~340cmで、体高は135~170cmです。体重はオスで約680kg、メスで約480kgになります。
「エランド」。アフリカに生息するウシ科のレイヨウ類。レイヨウの仲間では最も大きくなる種類で、ねじれた角と首元にある胸垂と呼ばれる皮膚の垂れ下がりが特徴です。
「ハーテビースト」アフリカのサブサハラに生息する、特徴的な顔を持つウシ科動物。
「ヘラジカ」と「ガウル」の剥製
「ヘラジカ」シカの仲間で一番大型の種類で、オスの体重が825kgの記録があります。短い頸に大きな頭部、肩は筋肉で盛り上がり、喉には50cmにもなる肉垂れがあってベルと呼ばれています。上唇はラクダと同じように垂れ下がり、鼻鏡は非常に小さく無毛です。冬季のマントのような上毛は長さが約25cmあり、下毛はウールのように柔らく冬の寒さに対応できます。四肢は長く側蹄が大きいことで湿地帯や湖、雪の上を歩くときに足が埋もれないようになっています。
「タテガミヤマアラシ」体毛を太く進化させ、全身を針状の硬い毛で覆ったヤマアラシなども、この「武装型」の代表といえるでしょう。
「ナミハリネズミ」足には強大なつめがあります。夜行性で雑食性。10月から4月頃まで冬眠します。普通のネズミのように、人の居住域にも生息しています。
「ハリテンレック」ハリテンレックは半樹上性で野生だとマダガスカルに生息しています。
「ハリモグラ」背中一面にトゲが生えており、力強い足でふんばり、トゲをさか立てることで身を守ります。鼻づらが長く伸びていて、その先にあいた小さな口からねばねばした長い舌を出して、餌をなめとります。カモノハシとともに卵生の哺乳類として有名で、メスは腹部の袋のような部分に卵を1個産み、生まれた子どもを乳で育てます。
「オオアリクイ」中央、南アメリカの密林や草原に棲んでいます。歯がないので、前足の大きな爪を使って、アリ塚や朽ち木をくずし、シロアリや昆虫の幼虫を細長い舌を使って器用に舐めとって食べます。
「ヤシガニ」ヤドカリの仲間で、夜行性。ココヤシの果肉も食べますが、カエルの肉なども食べる雑食性。最大で4kgほどになり、ハサミ脚ではさむ力は体重の約90倍にもなります。
「モンハナシャコ」鮮やかな体色と網目模様を持ちます。ハンマー型の捕脚を打ちつけ、巻貝・二枚貝・他の甲殻類などの殻を叩き割って捕食します。
「グリンソーフィッシュ」自然界では7m近くまで成長すると言われている大型のノコギリエイです。
「大群型」一見すると小さな魚や昆虫。しかし集団となるとすべてを飲み込みとんでもない脅威となります。
「ピラニアナッテリー」アマゾンの人食い魚として有名なピラニアの中で代表的な種です。実は群れで暮らす臆病な魚。自分より小さな魚や弱った生きものを集団で襲い、その鋭い歯で肉を切り裂きます。
「カンディル」現地ではピラニアより恐れられる存在です。目はほんとど見えていませんが餌の匂いを嗅ぎつけ、獲物の体を食い破る肉食性のナマズの仲間です。体内に侵入した後、外に引っ張り出されないようにひれに返しのような棘があります。
「サバクトビバッタ」蝗害を起こすバッタの中では大型の部類。飛蝗はありとあらゆる植物を食害しながら進むため、農作物が大被害を受け、飢饉の発生の原因ともなる。また、糞を撒き散らして作物をダメにしてしまう。
ジャングル最強の生きもの 「グンタイアリ」の仲間
物理的なパワーによる攻撃にとどまらず、人間には真似できない特殊な能力を駆使するのが「特殊攻撃系危険生物」です。これらは小型ながら、進化の過程でトリッキーな技を獲得し、独自の生存戦略を高めてきた生物たち。その攻撃スタイルは「猛毒型」「化学攻撃型」「電撃型」「吸血型」に分かれます。
毒を持つ生き物の代表格といえる存在のヘビ。その中でも有名な毒ヘビ「キングコブラ」
「ブラックマンバ」アフリカに生息するコブラ科のヘビで、並外れて大型になり、恐るべき猛毒をもつ。爆発的なスピードで攻撃を繰り出すため、まるで空へと飛び立つかのように見えるといいます。
「メキシコドクトカゲ」世界に2種類しか生息しないドクトカゲの一種。
インドネシアにすむ「コモドオオトカゲ」は、かみついて唾液に含まれた毒で弱らせ、シカなどの大型獣を捕食します。
「ブラリナトガリネズミ」北アメリカ東部の森林や低木林にごくふつうに見られる尾の短いトガリネズミ。 唾液に獲物捕獲や防御に有効な有毒成分が含まれるほとんど唯一の哺乳類として知られます。
「ヒョウモンダコ」の唾液には神経毒であるテトロドトキシンが含まれており、咬まれると呼吸困難を起こすこともある危険な生物です。
ムカデには、大型から小型まで、多くの種類がいます。種類によっては多様な色彩があり、成体と幼体とで色が違うこともしばしばです。どのムカデも共通して顎肢と呼ばれる脚が変化した顎を持ち、この顎で咬みついて毒を注入します。特にオオムカデと呼ばれるグループには大型で毒の強い種類もおり、人が咬まれると激しい痛みを感じる場合があります。
「ヒヨケムシ」は人間がかまれて死ぬことはありませんが、昆虫やネズミ、トカゲ、小鳥などを殺す凶暴な捕食動物です。砂漠の環境に耐え、最大で体長の3分の1にもなる大きくて強力なアゴを使って獲物を捕らえ、切り刻んだり、ノコギリでひいたように切断したりして肉片にしてしまいます。毒は持っていませんが、消化液を使って獲物の肉を液化し、すんなりと腹の中に収めます。
タランチュラとはオオツチグモ科のクモの通称です。主に熱帯域に生息し、現在約1,000種が知られています。体長は5~10cm、脚を自然に広げた時の大きさ(レッグスパン)が30cmに達するものもいます。
「オオクロケブカジョウゴグモ」八重山諸島に生息するジョウゴグモ。
サソリです。サソリも毒がありますが、ハサミが小さいサソリほど毒が強いとか。
刺されるとショック症状を起こすこともある危険な昆虫「スズメバチ」とその巣です。
「キョジンベッコウバチ」刺されると、「泡風呂に入浴中、通電しているヘアドライヤーを浴槽に投げ込まれて感電したみたい」な痛みだそうです。
きれいな貝にも毒があります。沖縄の海などに生息する、イモガイ科のアンボイナ。大きさは10センチほど。毒もりで魚をまひさせて食べます。人間も刺されて多数死亡しており、触ると危険です。
「カモノハシ」は、哺乳類でありながら卵を産み、毒を持つという非常にユニークな生物。
色鮮やかな美しい見た目ですが、猛毒を持つヤドクガエル。
「スローリス」かわいい見た目ですが、毒を持っています。上腕腺から分泌される分泌液を口に入れ、唾液と混ぜることにより毒素を作ります。
人間を羽1枚で殺してしまうほどの猛毒をもつ「カワリモリモズ」
カワリモリモズの標本
生き物の体内では、酵素の働きによって絶えず様々な化学反応が行われています。その仕組みを攻撃に転用したのが「化学攻撃型」の動物たちです。
ヒメコンドルの必殺技は「嘔吐」。死肉を食べるため胃の酸性度が高く、敵に襲われるとその未消化物を吐きかけます。
「バクダンオオアリ」は劣勢になると自爆して相手を道連れにします。
カエルなどの天敵に襲われると100℃の防御物質をお尻から発射する「ミイデラゴミムシ」
スカンクは、敵に襲われると肛門傍腺から強烈な臭液を噴射します。この臭液は、捕食者に対する直接的な防御となるだけでなく、周囲の臭いを強くかく乱させることで、自身の逃走時間を稼ぐ役割も果たしています。
「サハラゾリラ」アフリカ大陸のサハラ砂漠以南に生息するイタチ科の動物です。スカンクのように強烈のにおいを発射するといわれてます。
ラボ7は「電撃型」。主に水中に生息する身体から電気を発する生き物を中心に紹介。
「デンキナマズ」ナイル川にすむ淡水魚。有名な発電魚の1つ。発電器は体の後半部の皮膚の下にあります。電圧は瞬間的には450Vにもなります。夜行性で昼間はほとんど動きません。
発電器官を持ち、小魚などを麻痺させて捕食する「シビレエイ」
シビレエイの標本
ラボ8「吸血型」に登場するナミチスイコウモリ。かまれると血は固まらずなめとられるが、恐ろしいのは、狂犬病の媒介者でもあることです。摂取した大量の血液を仲間に吐き戻して分け与える習性を持っています。さらに、自身が十分な食料を得られた際には、かつて自分を助けてくれた個体へ優先的に血を分けるという、高度で知的なコミュニケーションをとることも分かっています。
「ナミチスイコウモリ」の標本
マラリアを媒介する「ハマダラカ」
サハラ以南のアフリカだけに見られ、トリパノソーマソーマという寄生虫を媒介し睡眠病を引き起こす「ツェツェバエ」
ツェツェバエの模型
感染症を媒介するマダニ
マダニの模型
ツツガムシ病を媒介する「アカツツガムシ」
特設ショップでは各種オリジナルグッズの販売が行われていました。細部までこだわったぬいぐるみたちなど。
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