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2026.3 チュルリョーニス展 内なる星図

プロローグ

「森の囁き」1904年

1904年3月、ワルシャワ美術学校が新たに開校し、チュルリョーニスはその1期生として入学しました。美術学校入学の年に描かれた「森の囁き」は、現存する数少ない初期作品の1つです。

「弟ポヴィラスに宛てた絵葉書(森の囁き)」1903年10月24日

1章 自然のリズム

「山」1906年

祖国の豊かな自然がチョルリョーニスの想像力の源でした。自然の移ろい、つまり自然の中のリズムや生命の循環を抽象、擬人的に捉えています。

「霧」1906年

「夜の海」1906年

「閃光Ⅰ [3点の連作より]」1906年

「閃光」は。自然を主題とする最初期の連作の1つ。とはいえ本作は、特定の地誌的な風景を表したものではありません。

「閃光Ⅱ [3点の連作より]」1906年

「閃光Ⅲ [3点の連作より]」1906年

「高原」1905年

フッ素エッチングによる作品

「枯木」1906年

「雪に埋もれた小屋(冬)」1905年

「庭(噴水)」1905-06年

「鐘楼」1906年

「門(夢想)」1905-06年

「春のモティーフ」1907年

「春」1907年

「春」1907年

「春」1907年

「夏」1907年

「冬Ⅰ [8点の連作より]」1907年

8点の連作からなる「冬」は後の作品の布石ともいえる鏡面使いが確認できます。

「冬Ⅱ [8点の連作より]」1907年

僅かに色合いを変化させ、複数の領域を生み出します。その領域間を繋げるような垂直のオブジェクトを配置します。そして実体と虚像のような関係性を鑑賞者に意識させます。

「冬Ⅲ [8点の連作より]」1907年

我々は湖を前に明確な実体と虚像を判別できます。しかし、絵画の前ではそれが曖昧模糊となります。これがチュルリョーニスの面白さです。

「冬Ⅳ [8点の連作より]」1907年

「冬Ⅴ [8点の連作より]」1907年

「冬Ⅵ [8点の連作より]」1907年

「冬Ⅶ [8点の連作より]」1907年

「冬Ⅷ [8点の連作より]」1907年

2章 交響する絵画

「プレリュード[二連画「プレリュード、フーガ」より]」1908年

作曲家としても優れた才能を持っていただけに、作品名にも「ソナタ」や「プレリュード」「フーガ」「アンダンテ」といった音楽用語が頻出します。

「フーガ[二連画「プレリュード、フーガ」より]」1908年

「プレリュード[二連画「プレリュードとフーガ」より]」1908年

「フーガ[二連画「プレリュードとフーガ」より」1908年

「第3ソナタ(蛇のソナタ): アレグロ」1908年

チョルリョーニスは、音楽の構造を絵画の構造で表そうとしていました。

「第3ソナタ(蛇のソナタ): アンダンテ」1908年

「第3ソナタ(蛇のソナタ): スケルツォ」1908年

「第3ソナタ(蛇のソナタ): フィナーレ」1908年

絵画と音楽というふたつの領域で類まれな才能を示し、35歳の若さで亡くなるまでのわずか6年ほどの画業で、300点以上もの作品を手がけました。

「第5ソナタ(海のソナタ): アレグロ」1908年

「海のソナタ」では黄金色の波と鶴が描かれているアレグロ、波がゆっくり(アンダンテ)と表されて、リトアニアの精神世界が表現されているとともに生命の象徴としての船も描かれています。

「第5ソナタ(海のソナタ): アンダンテ」1908年

「第5ソナタ(海のソナタ): フィナーレ」1908年

フィナーレでは波が上昇して泡が生じています。この作品を描くにあたってチョルリョーニスは北斎の「神奈川沖浪裏」を参考にしたと考えられています。

「ピアノのための交響詩「海」の楽譜草稿 」1903年

「ピアノのための交響詩「海」の楽譜草稿」1903年

「第6ソナタ(星のソナタ): アレグロ」1908年

「第6ソナタ(星のソナタ): アンダンテ」1908年

3章 リトアニアに捧げるファンタジー

「ドルスキニンカイのチュルリョーニスの家」1905年

「ライガルダスⅠ[三連画「ライガルダス」より]」1907年

「ライガルダスⅠ[三連画「ライガルダス」より]」1907年

「ライガルダスⅠ[三連画「ライガルダス」より]」1907年

「ライガルダスⅠ[三連画「ライガルダス」より]」1907年

「リトアニアの墓地」1909年

「ジェマイティヤ地方の道端の十字架」1909年

「道端の十字架」1909年

リトアニアの十字架は、ほとんどの場合が木製で、動植物や天体のモティーフを様式化した装飾的意匠がふんだんに施されている点が特徴です。

「道端の十字架」1909年

「オペラ「ユラーテ」の舞台背景のための下絵」1908年

「オペラ「ユラーテ」の舞台緞帳のための下絵」1908年

「オペラ「ユラーテ」の舞台緞帳のための下絵」1908年

「オペラ「ユラーテ」の舞台緞帳のための下絵」1908年

「稲妻」1909年

「プレリュード(騎士のプレリュード)」1909年

「プレリュード(騎士のプレリュード)」では、SF映画を彷彿とさせる都市を駆ける透明な騎士を重ねます。騎士の身体を光が貫通し、世界の色は変化する。これは虚像による奥行きです。一方で、垂直方向に絵を観ると、光と影によって世界は分断されています。ひとつの絵の中に複数の次元が表現されているのです。

「「第2回リトアニア美術展」カタログ (ポーランド語版)」1908年刊

「「第3回リトアニア美術展」カタログ (ポーランド語版)1909年刊

「ソフィヤ・キマンタイテ=チュルリョーニエネ著『リトアニアにて』(1910年出版)のための表紙デザイン」1909年

「頭文字A、B,D,E,I,O,S,T,U,V,V」1908年

「チューリップ(ヴィネット)」1908-09年

「リトアニア民謡「走れ、刈り入れの列よ」のためのヴィネット 」1909年

「リトアニア民謡「ネムナス河の対岸で」のためのヴィネットIV」1909年

「コンポジション(東洋のおとぎ話)」1909年

「おとぎ話Ⅰ [三連画「おとぎ話」より]」1907年

「おとぎ話Ⅱ [三連画「おとぎ話」より]」1907年

「おとぎ話Ⅲ [三連画「おとぎ話」より]」1907年

「おとぎ話(城のおとぎ話)」1909年

「おとぎ話(王たちのおとぎ話)」1909年

「祭壇 」1909年

ピラミッド型の祭壇を上から見下ろすような構図で描かれており、騎士や天使といったモチーフが描かれているとともに、生命の根源である太陽も見えます。

世紀末のアール・ヌーヴォーや象徴主義、ジャポニスムといった国際的な芸術動向に呼応しつつも、作曲家ならではの感性と、当時ロシア帝国の支配下にあったリトアニア固有のアイデンティティに根差した作品群は、唯一無二の個性を放っています。

エピローグ

「レックス(王)」1909年

水面の上に祭壇があり、白い煙があがっている。上のほうでは雲が川になって、天空には三日月や彗星群がある。その上にはさらに星々。左上には太陽、右上には月が描かれ、世界の構成要素である四大元素と結びついています。そして中央に透明の王がいて、影の王も併せて描かれており、「ポロフォニー」のような効果をもたらしています。



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